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競泳選手のメキシコ高地合宿② 【トレーナー帯同】日本体育協会公認アスレティックトレーナー

競泳選手のメキシコ高地合宿② 【トレーナー帯同】

  日本体育協会公認アスレティックトレーナー 藤野絢也


合宿地のメキシコ サンルイスポトシから投稿です。

2.23 から始まった日程も、このクールで全日程の中間地点となります。

選手達はコンディションも良く、毎日トレーニングを重ねていけてます。

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このメキシコでのトレーニング合宿は

高地環境(海抜2000m)という低酸素濃度の中で、

日常生活や筋トレ、スイムなど通常の運動を行う事で

平地で行う時よりも、酸欠状態を意図的に作り出すことが出来

その酸欠状態から体が適応しようとする能力を引き出す事が

効果として考えられています。

数週間のトレーニングによって、血中の赤血球数や

ヘモグロビン、ミオグロビンが増すことで

その後平地に戻った際に体内の酸素運搬能力が高まり、

心肺機能の向上が期待出来るということです。

 

酸素濃度は高さによって変わるので

この2000m程の場所では平地での酸素濃度に対して

2/3程度だとも言われています。

簡単なはなし、息が切れてハアハアとなって呼吸数が増えますが

3回吸っても、平地の2回分しか酸素が入ってこない・・・

という状態を作り出せるのです。

 

選手は厳しい練習やトレーニングになりますが

リターンも期待できるという事で、近年この高地を利用した

トレーニングはトップスイマーのポピュラーになっています。

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競泳選手のメキシコ高地合宿①【トレーナー帯同】日本体育協会アスレティックトレーナー

競泳選手のメキシコ高地合宿 【トレーナー帯同】

 日本体育協会アスレティックトレーナー 藤野絢也


ブログの更新がしばらくご無沙汰していました・・・ m(__)m

2月23日から競泳チームの高地トレーニングに

メキシコのサンルイスポトシへ帯同しております。

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海抜2000mの準高地にあたるこの地で

約一ヶ月間、選手のサポートをさせていただいてます。

 

今回は6名の選手が合宿に参加しております。

 

4月の日本選手権(世界水泳代表選考会)に向けて

充実したトレーニングを積み重ねてもらえるように

トレーナーとして、しっかり選手をサポートしていきたいと

思います。

 

サンルイスポトシは日中は温暖で、空が青くて気持ちの良い場所です。

こんな最高の気候と、充実した施設での合宿に携われる事に感謝です。

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ウエイト施設も大変充実しており、トレーニング環境は申し分ありません。

近年競泳選手は水中でのパフォーマンスを高めるために

ウエイトトレーニングやドライランドと呼ぶ陸での補強トレーニングの

重要性が非常に高まっており、厳しい水中練習の間に

こうしたウエイト施設での筋トレやマシントレーニングを行っています。

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こちらに来て第2クールが終了しました。

本格的な厳しいトレーニングが増えてきますので

日々の選手の様子やコンディションに気を配り

少しでも選手やチームのために貢献できればと思います。

 

こちらではコーチと共にプールサイドで練習中の泳ぎを

観察しながら、泳ぎや練習の詳細を教えていただいてます。

体やコンディショニングの専門家として、ディスカッションを

させてもらいながら、色々なトレーニングを提案したり

ケアの注意点を説明したりなど、非常に充実した

理想的な環境で仕事が出来ています。

 

合宿中ですが、また時間を作って投稿します!

 

 

 

 

 

 

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競泳:水泳選手のお子様における足首の捻挫に対して 【症例】

競泳:水泳選手のお子様における足首の捻挫に対して 【症例】


 

何度も水泳や競泳の選手における足関節捻挫(足首)に対して

こちらのブログで記事にしておりますが、今回も今年に入り

競泳の足関節捻挫だけで3つの症例があり

なかでも2つの症例では、水泳選手特有の受傷の仕方や

経過における問題が著明でしたので、注意点も含めて

ご紹介いたします。

 

 

受傷のきっかけ


 

  「体育の授業」

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圧倒的に多いのがこのきっかけです。

水泳の場合、練習中やレースで足首を捻るなんて事は

滅多にありません。

 

それだけ安全なスポーツではあるのですが

競泳を専門にしている選手は幼少期からプールで泳ぐ時間が

多く、外を走り回ったり、ボールや対人プレーに対しての

自身の体を反応させて、コントロールするという運動に

慣れていません・・・

 

 「小学校までは得意だったんですが・・・」

という選手からの声はよく聞きます。

 

それだけ、水中でのトレーニングを専門にやってきたので

陸上での動きや人やボールなどの動くモノに対する反応は

運動機能として、鍛えられてこなかったのです。

 

そんな状態で、体育の授業と言うのは楽しいものなので

ツイツイと本気になってやってしまい、足首を捻ったり

ジャンプの着地で捻ったりするのです。。。

 

しかし、それだけが理由ではないのです。。。

 

水泳選手として、競技レベルが高い選手は

ほとんどの選手が足首が柔らかい。

 

柔らかい足首が水中で水を捉えて、推進力につながるのです。

また水泳のキック動作が底屈位というつま先を倒した状態で

水をキックするので、底屈への柔軟性が極めて高い。

 

柔らかいという事は、足首の関節が緩い・・・ともいえます。

骨同士の剛性が不安定だと、水中での動きは

ストロングポイントになりますが、陸上での運動時には

ウィークポイントとなり、捻挫などのケガのリスクが極めてあがります。。。

 

この水泳ならではの環境が、陸上での足首の捻り動作には

極めて不利というわけです。

 

 

受傷から経過


 

ケガの治りは早いのですが、

水中のキック動作が問題・・・

水泳選手にとっては致命傷と言っていいほど

足首の捻挫後は、キック動作に問題を生じます。。。

 

陸上で生活する分には、数日で痛みもなくなり

日常生活では気にならないほど、治りも早い事が多いです。

 

しかし水中でキック練習を再開すると、痛みがあって

キック動作が出来ないという事が多い。。。

 

水中でのキック動作は、足首を捻った際に痛めた靭帯を

再び引き伸ばす様な動きなのです。。。

 

 

受傷から水中練習への注意点


 

  「泳がない方が良い」 はリスク

 

医療機関に行くと、2~3週間は安静に・・・

と言われ、サポーターやシーネでの固定が多いと思います。

「泳いでも大丈夫ですか?」 と聞いても、「良いよ!大丈夫!」とは

言われません。 ※ケガの程度や専門とされる分野にもよります。

しかし水泳選手が2~3週間も水から離れると

そのシーズンを捨てる様なもの。。。 時期によっては

そのまま競技レベルは落ちていく一方でしょう。

水泳の場合、全身を使うスポーツで、感覚がとても大切です。

ケガの状態に応じたリスク対策を行ったうえで、出来る限り

水中での練習を行う事を薦めています。

 

具体的にあげると

・ プルだけの練習を行う

 ・ キック練習は別メニュー

 ・ フィン(足ヒレ)は完治するまでつけない

 ・ ターンやスタートは患側は添えるだけ

もちろんこれでも負担がかかる事もあるのですが

痛みや患部の状況に応じて、出来る限りの対策をうてば

トレーニングはしっかり出来るのです。

 

泳がずにいると、足首への負担は無いかもしれませんが

体の柔軟性や筋力、心肺機能、エネルギー消費、水感覚など

あらゆる面でパフォーマンスが落ちてしまいます。

出来るだけ水泳に詳しい専門家に見て判断してもらい

早期に水中練習を再開しましょう。

2017年度のシーズンに向けて【競泳:トレーナー】

2017年度のシーズンに向けて


久々の投稿になってしまいました。

春から夏にかけて、競泳の大会シーズンも終わり

今年も日本選手権、ジャパンオープン、インターハイ、国体と

大きな大会に標準を合わせながら、日々選手達の競技活動に

関わらせていただいた事に感謝します。

 

今年はオリンピックイヤーでもあり、私個人的にも悔しい一年でした。

私が出来る事は、限られているし、選手を育てようなんてことも不可能です。

ただ選手が目標に向かう日々の中で、苦しい時に支えてあげられたり

知識やノウハウの助言が欲しい時に、私の中から最適な答えを引き出して

あげられるように、選手が強くなる事を目的に、引き続き精進したいと思います。

 

 

 

 

 

 

競泳インターハイ帯同(in 広島) 【トレーナー】

2016年競泳インターハイ帯同(広島)


8月17日~20日の4日間

近畿大学付属高等学校 水泳部のトレーナーとして

広島で開催されてましたインターハイに帯同してきました。

 

男女共にリレー、個人種目と

決勝進出や表彰台といった好結果がありました。

選手によっては本来の調子にあがらず

ベストタイムには及ばない、悔しいレースや

大きくベストタイムを出す選手など、それぞれであり

その中でもチームのために、キツイ体を気持ちで動かす姿に

見る者は感動させられました。

 

帯同に呼んでいただけることに感謝し

今後もより選手が強くなり、ここ一番の局面で

しっかりと本来のパフォーマンスを発揮出来る様な

トレーナーとしてのサポートを頑張っていきたいと思います。

 

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2016年 競泳インターハイ in 広島 【トレーナー】

2016年 競泳インターハイ in 広島


まだまだ世間はお盆休みや夏休みでしょうか?

京都では8月17日は五山の送り火です。

オリンピックの競泳も終わり

いよいよ明日から競泳のインターハイが競技開始です。

 

私も大阪の私立高校に帯同し、選手と共にインターハイを戦いたいと思います。

そのため 17日~20日 は帯同中で不在となります。

何卒ご理解よろしくお願いします。

 

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先日は大阪にてインターハイ前の最後のケアを終えました。

タフなレース期間になるので、しっかりとサポートしてきます。

 

「調整力」について (大事な局面で確実に本来の力を発揮する力)【トレーナー】

「調整力」について

(大事な局面で確実に本来の力を発揮する力)


今回はアスリートのパフォーマンス発揮について書きたいと思います。

 

先日まで競泳では大学生、高校生、中学生と各カテゴリで

全国大会に向けての予選となる地域大会が行われておりました。

 

順当に全国大会の出場権をとれた選手もいれば

種目によっては一歩届かなかった選手もいます。

 

調子はいまいちでも、それなりの結果を出せる選手と

準備してきたけど、本来の力を発揮出来なかった選手など

選手によって明暗が分かれます。

 

ここ一番といった大事な局面や大事なレースで

準備して取り組んできた力を見事に発揮し

ベストタイムを出す選手と、レースで力を発揮出来ない選手には

何の差があるのか???

いつも選手に携わる時に考えます。

 

・ メンタルが弱い

・ 経験が足りない

・ 元々の力不足

などなど 様々な事を言われると思います。

 

選手は結果を受け止め、また次のレースに向けて

日々のトレーニングに励むのですが

そもそもレースで結果を出す力というのは

何か他の考え方があるのではと、トップレベルの

選手を見ていて感じる事があります。

 

「調整力」

 

レースに向けて距離を減らし

質を高めながら、疲れを抜いていく

テーパリングという期間があります。

 

このテーパーという期間に大きく差が出ているのでは

ないでしょうか。

 

レース当日、その一本のレースに向けて

こころも体も集中していく事。

自分のポテンシャルを最大限に発揮するための

歩幅を合わせていく事。

この調整していく力が高い選手が

好成績を大事な局面で残していると考えます。

 

ではこの「調整力」をどの様に養うのか。。。

 

その一つとして私は 「集中力」 をあげます。

レースまでまだ数日ある場合でも

ここ一番と自分が大切にする局面でどれだけ

集中して取り組めるのか。

この質の濃さが明暗を分けているのではないでしょうか。

 

これまでと同じように、やっていてもなかなか出口が見えない。。。

次のレースや大会、または来年に向けて

この「調整力」 「集中力」 を意識した

日々を過ごす事で、見える世界が変わってくると思います。

 

 

 

 

平泳ぎ膝の痛みについて 【トレーナー:競泳】

平泳ぎ膝の痛みについて


今回は日頃トレーナー現場で遭遇する症状をもとにご紹介します。

 

競泳チームに帯同しておりますと、様々な部位の痛みや故障に

遭遇します。

 

競泳の特徴としては、陸上で行うスポーツの様な、捻挫や打撲、

肉離れといった突発的な外傷は比較的少なく、

多くの障害は、日々の練習やトレーニングによる筋疲労とストレスの

蓄積による炎症、微細損傷であり、慢性的な症状が多い事が特徴です。

 

関節への負荷のかかり方としては

ストローク動作やキック動作の様に何度も同じ動きを繰り返す事による

関節の摩擦が考えられます。

また競泳の特徴として、「水を掴む」 または 「捉える」 事での

水圧による関節への負荷が故障の要因になります。

 

今回取り上げる 「平泳ぎ膝」 は平泳ぎのキック動作による

膝の痛みであります。 その発生メカニズムには

「水を捉える」事で起こるストレスが関係しています。

膝関節の内側で痛みを訴えるケースが多いのですが

お皿(膝蓋骨)の内側や上部での痛みを有する場合もあります。

 

 

平泳ぎ膝になる要因


・ 大腿四頭筋の柔軟性不足

・ 股関節伸展方向の可動域不足

・ 大腿部外側~股関節周囲の筋緊張

・ 体幹部の筋力不足

・ 胸椎や胸郭、上肢の可動性不足

※ これらの要因がいくつも関連して、結果的に膝関節への

負担が掛かっていると考えております。

 

大半の症例は大腿部~股関節の筋緊張を取り、関節可動域の改善と

関節周囲の筋・腱、結合組織など軟部組織の柔軟性と滑走性を

改善させると痛みは取れて症状はなくなります。

 

膝蓋腱炎や鵞足炎(がそくえん)などと診断されるケースもあります。

問題は膝だけが悪いのではなく、上記の問題点が関連して

ストリームラインのバランスが崩れたり、腰が落ちているなど

ボディポジションに影響して、結果的に膝への負担が増大して

症状にいたっていると考えましょう。

 

自身でのセルフケアは先ずは股関節周囲や四頭筋の柔軟性を

獲得する事が大切です。

しかし、膝を曲げる事で痛みがある場合は、膝関節周囲の組織が

固く引っ張っている状態ですので、関節周囲の組織の柔軟性を

改善させる必要があると思われます。

また平泳ぎ膝に関しては、別の記事で詳しくセルフケアまで

まとめたいと思います。

 

水泳選手の故障・痛みについて、セルフケアのコツを紹介します。

水泳選手の故障・痛みについて


先日所属チームのケアでも肩の痛みを訴える選手がちらほら出てきました。

夏の強化シーズンであり、日々の練習やトレーニングは

質も量も共にハードな状態が続きます。

 

学生は土日にレースも入ってくるので、一日に何本もレースレベルの

パフォーマンス発揮をする事で、肉体的にはかなり負荷がかかって

来ていると思われます。

 

そんな状況下でも、常にある程度のレベル・状態を維持できる選手

疲労すると痛みや違和感などの故障を招き、パフォーマンスダウン

してしまう選手とで別れます。

 

もちろん後者の方が多いですし、レベルの高い選手は前者の方です。

一体どこに差が出ているのか??

 

 

 

選手は ”賢くないといけません”


 

長年携わりアドバイスしてきているので、選手の中では

疲労性による痛みや違和感に対する、自身で取り組む予防や

痛くなった時に自身で行うケアの方法をよく理解して

実施出来る選手が居ます。

全ての選手が、そういったコンディショニングスキルを

身に付けてほしいのですが、まだまだ浸透させる事が

出来ていません。

 

大きな違いは、その理解力にあります。

・ 自分の体の特徴を理解している

・ 故障しやすい体の動きや、関節の動きを理解している

・ 痛くなった時の考えられる原因と対処方を知っている

・ 問題がある際に、出来るだけ早く行動出来る

 

そんな事が選手に出来るの? と思われるかもしれませんが

少なくとも現場レベルで、次にトレーナーが来てくれたり

治療に行くまでの、応急手当を行うレベルまでは

選手は理解して出来る様になります。

 

ただ方法論を詰め込んだり、与えるのではなく

選手が点と点を線として、認識し

なぜ痛くなるのか?   どうすれば痛くなるのか?

何が原因なのか?   どうすれば治るのか?

を理詰めで理解した時に、行動力へとつながり

その効果が飛躍的に高まるのだと思います。

 

こういった理解力のある選手は

練習の内容や意味、努力するポイントを理解します。

その理解度の差で練習やトレーニングの効果は歴然です。

 

パフォーマンスの低下や故障の発生メカニズムを

理解している事で、事前に取り組む事ができて

問題が大きくなる前に自分で対処出来ている。

これがトップアスリートの心得として、とても重要な事なのでは

無いでしょうか。

 

ここ一番の大切な局面で、しっかり自身の力を発揮して

結果を残せる、ハイレベルな選手は

間違いなくこの理解力を持っています。

 

ベストタイムやベストパフォーマンスの発揮には

その時だけが良いのではなく、

こうした日々の小さな取り組みや、思考の積み重ねが

大きな成果に繋がるのだと思います。

 

水泳のキック動作と足首の痛みの関係性

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水泳のキック動作と足首の痛みの関係性


今回は 競泳選手 や趣味で水泳をされている方向けに解説します。

一般的には肩や腰を痛めたり、からだの歪みやバランスが気になるなど

その様な訴えや問題が多い様に思われますが、以外と多いのが

足首の痛みや違和感です。

 

「フィンを使ったキックをすると足首の前が痛くなる」

「足首が緩くて、抜ける様な感覚がある」

「スタートやターンで壁を蹴るのも痛い」  などなど

 競泳選手では足首を痛める症例は多いのです。

 

 

この様な足首の痛みを訴える選手の

   共通点が以下の様に考えられます。


 

 ・ 女子選手 ※特に小中学生

 ・ 競泳の専門的なトレーニングを行っている ※フィンの仕様

 ・ 関節が柔らかく、柔軟性が高い

 ・ 腰が反り気味 ※姿勢の問題

 ・ 太ももの前(大腿四頭筋)が発達している

特に幼少期から選手や育成で本格的な競泳に取り組み

 中高生や上の世代の選手と同様にフィンを使っている

 などのケースが多い様に感じております。

 

 

 

ではこれらの共通点がどのように

      足首の痛みと関係しているのか


 

1) 女性選手 ※特に小中学生

特に若年層の選手は、まだ体が成長段階である事と

男性に比べ、女性選手は関節の剛性も弱く、負荷によるストレスを

関節周囲の腱や靭帯に受けやすいと考えます。

 

2) 競泳の専門的なトレーニングを行っている

   ※フィンの仕様

フィンを使用する事で、末端(足)にかかる水の負荷が増えます。

足の筋力強化や、水を捉える感覚の学習というメリットもありますが

関節の緩さや、未完成な関節には過剰な負荷がかかる場合があります。

 

3) 関節が柔らかく、柔軟性が高い

先ほども述べましたが、成長期の体は関節の剛性が緩く

強度的にもまだ未完成と考えましょう。 特に女性の場合は

関節の弛緩性が高く、柔軟性に優れた競泳選手が多いのです。

競泳と言う競技特性上、柔軟性は武器でありますが

反面負荷によるストレスで故障するケースがあります。

 

4) 腰が反り気味 ※姿勢の問題

ストリームラインの姿勢を取った時に、腰が過剰に反る選手がいます。

これは股関節の屈筋群や腸腰筋、が硬く、腹筋の弱い選手が

陥りがちな姿勢です。 ※競泳の場合特に多い・・・

この姿勢では、ボディポジションが下がりキックの動作も

体幹や股関節を使った動作でなく、膝から下に頼った動作に

なりがちです。

5) 太ももの前(大腿四頭筋)が発達している

キック動作も関係しますが、腰の反りが強い選手は

太ももの前面(大腿四頭筋)が発達し、硬くなっている選手が多い。

姿勢が先か、四頭筋の緊張が先なのか。。。どちらが原因?

と言われますが、こういった姿勢と筋緊張は同時に起こります。

そして四頭筋の短縮は前脛骨筋(スネの前面)の緊張に関係し

足首の前面の痛みに関連します。

 

これら様々な共通点が関係しあい、結果的に足首を痛めるケースに

陥ってるのではないでしょうか。

しかし多くの場合は、キックの練習をプルの練習に変えるなどして

キックの量を減らす事で、足首の負担を減らし、痛みが軽減するのを

待っているというケースではないでしょうか?

 

足首の痛みを訴えるケースでは、ほぼ関節位置の偏移が

診られます。 水泳の競技特性から底屈位での

動きや、柔軟性が求められます。(※正座している時の様な足首の形)

この場合、距骨という骨が前方に押し出されるようなメカニズムが発生します。

この状態が常になると、足首前方の腱や靭帯には常にストレスがかかり

さらにキックやフィンの仕様で負荷が増える事で、問題が大きくなるのです。

 

具体的なセルフケアやリハビリはまた別の機会で解説痛いと思います。