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競泳:水泳選手のお子様における足首の捻挫に対して 【症例】

競泳:水泳選手のお子様における足首の捻挫に対して 【症例】


 

何度も水泳や競泳の選手における足関節捻挫(足首)に対して

こちらのブログで記事にしておりますが、今回も今年に入り

競泳の足関節捻挫だけで3つの症例があり

なかでも2つの症例では、水泳選手特有の受傷の仕方や

経過における問題が著明でしたので、注意点も含めて

ご紹介いたします。

 

 

受傷のきっかけ


 

  「体育の授業」

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圧倒的に多いのがこのきっかけです。

水泳の場合、練習中やレースで足首を捻るなんて事は

滅多にありません。

 

それだけ安全なスポーツではあるのですが

競泳を専門にしている選手は幼少期からプールで泳ぐ時間が

多く、外を走り回ったり、ボールや対人プレーに対しての

自身の体を反応させて、コントロールするという運動に

慣れていません・・・

 

 「小学校までは得意だったんですが・・・」

という選手からの声はよく聞きます。

 

それだけ、水中でのトレーニングを専門にやってきたので

陸上での動きや人やボールなどの動くモノに対する反応は

運動機能として、鍛えられてこなかったのです。

 

そんな状態で、体育の授業と言うのは楽しいものなので

ツイツイと本気になってやってしまい、足首を捻ったり

ジャンプの着地で捻ったりするのです。。。

 

しかし、それだけが理由ではないのです。。。

 

水泳選手として、競技レベルが高い選手は

ほとんどの選手が足首が柔らかい。

 

柔らかい足首が水中で水を捉えて、推進力につながるのです。

また水泳のキック動作が底屈位というつま先を倒した状態で

水をキックするので、底屈への柔軟性が極めて高い。

 

柔らかいという事は、足首の関節が緩い・・・ともいえます。

骨同士の剛性が不安定だと、水中での動きは

ストロングポイントになりますが、陸上での運動時には

ウィークポイントとなり、捻挫などのケガのリスクが極めてあがります。。。

 

この水泳ならではの環境が、陸上での足首の捻り動作には

極めて不利というわけです。

 

 

受傷から経過


 

ケガの治りは早いのですが、

水中のキック動作が問題・・・

水泳選手にとっては致命傷と言っていいほど

足首の捻挫後は、キック動作に問題を生じます。。。

 

陸上で生活する分には、数日で痛みもなくなり

日常生活では気にならないほど、治りも早い事が多いです。

 

しかし水中でキック練習を再開すると、痛みがあって

キック動作が出来ないという事が多い。。。

 

水中でのキック動作は、足首を捻った際に痛めた靭帯を

再び引き伸ばす様な動きなのです。。。

 

 

受傷から水中練習への注意点


 

  「泳がない方が良い」 はリスク

 

医療機関に行くと、2~3週間は安静に・・・

と言われ、サポーターやシーネでの固定が多いと思います。

「泳いでも大丈夫ですか?」 と聞いても、「良いよ!大丈夫!」とは

言われません。 ※ケガの程度や専門とされる分野にもよります。

しかし水泳選手が2~3週間も水から離れると

そのシーズンを捨てる様なもの。。。 時期によっては

そのまま競技レベルは落ちていく一方でしょう。

水泳の場合、全身を使うスポーツで、感覚がとても大切です。

ケガの状態に応じたリスク対策を行ったうえで、出来る限り

水中での練習を行う事を薦めています。

 

具体的にあげると

・ プルだけの練習を行う

 ・ キック練習は別メニュー

 ・ フィン(足ヒレ)は完治するまでつけない

 ・ ターンやスタートは患側は添えるだけ

もちろんこれでも負担がかかる事もあるのですが

痛みや患部の状況に応じて、出来る限りの対策をうてば

トレーニングはしっかり出来るのです。

 

泳がずにいると、足首への負担は無いかもしれませんが

体の柔軟性や筋力、心肺機能、エネルギー消費、水感覚など

あらゆる面でパフォーマンスが落ちてしまいます。

出来るだけ水泳に詳しい専門家に見て判断してもらい

早期に水中練習を再開しましょう。