水泳のキック動作と足首の痛みの関係性

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水泳のキック動作と足首の痛みの関係性


今回は 競泳選手 や趣味で水泳をされている方向けに解説します。

一般的には肩や腰を痛めたり、からだの歪みやバランスが気になるなど

その様な訴えや問題が多い様に思われますが、以外と多いのが

足首の痛みや違和感です。

 

「フィンを使ったキックをすると足首の前が痛くなる」

「足首が緩くて、抜ける様な感覚がある」

「スタートやターンで壁を蹴るのも痛い」  などなど

 競泳選手では足首を痛める症例は多いのです。

 

 

この様な足首の痛みを訴える選手の

   共通点が以下の様に考えられます。


 

 ・ 女子選手 ※特に小中学生

 ・ 競泳の専門的なトレーニングを行っている ※フィンの仕様

 ・ 関節が柔らかく、柔軟性が高い

 ・ 腰が反り気味 ※姿勢の問題

 ・ 太ももの前(大腿四頭筋)が発達している

特に幼少期から選手や育成で本格的な競泳に取り組み

 中高生や上の世代の選手と同様にフィンを使っている

 などのケースが多い様に感じております。

 

 

 

ではこれらの共通点がどのように

      足首の痛みと関係しているのか


 

1) 女性選手 ※特に小中学生

特に若年層の選手は、まだ体が成長段階である事と

男性に比べ、女性選手は関節の剛性も弱く、負荷によるストレスを

関節周囲の腱や靭帯に受けやすいと考えます。

 

2) 競泳の専門的なトレーニングを行っている

   ※フィンの仕様

フィンを使用する事で、末端(足)にかかる水の負荷が増えます。

足の筋力強化や、水を捉える感覚の学習というメリットもありますが

関節の緩さや、未完成な関節には過剰な負荷がかかる場合があります。

 

3) 関節が柔らかく、柔軟性が高い

先ほども述べましたが、成長期の体は関節の剛性が緩く

強度的にもまだ未完成と考えましょう。 特に女性の場合は

関節の弛緩性が高く、柔軟性に優れた競泳選手が多いのです。

競泳と言う競技特性上、柔軟性は武器でありますが

反面負荷によるストレスで故障するケースがあります。

 

4) 腰が反り気味 ※姿勢の問題

ストリームラインの姿勢を取った時に、腰が過剰に反る選手がいます。

これは股関節の屈筋群や腸腰筋、が硬く、腹筋の弱い選手が

陥りがちな姿勢です。 ※競泳の場合特に多い・・・

この姿勢では、ボディポジションが下がりキックの動作も

体幹や股関節を使った動作でなく、膝から下に頼った動作に

なりがちです。

5) 太ももの前(大腿四頭筋)が発達している

キック動作も関係しますが、腰の反りが強い選手は

太ももの前面(大腿四頭筋)が発達し、硬くなっている選手が多い。

姿勢が先か、四頭筋の緊張が先なのか。。。どちらが原因?

と言われますが、こういった姿勢と筋緊張は同時に起こります。

そして四頭筋の短縮は前脛骨筋(スネの前面)の緊張に関係し

足首の前面の痛みに関連します。

 

これら様々な共通点が関係しあい、結果的に足首を痛めるケースに

陥ってるのではないでしょうか。

しかし多くの場合は、キックの練習をプルの練習に変えるなどして

キックの量を減らす事で、足首の負担を減らし、痛みが軽減するのを

待っているというケースではないでしょうか?

 

足首の痛みを訴えるケースでは、ほぼ関節位置の偏移が

診られます。 水泳の競技特性から底屈位での

動きや、柔軟性が求められます。(※正座している時の様な足首の形)

この場合、距骨という骨が前方に押し出されるようなメカニズムが発生します。

この状態が常になると、足首前方の腱や靭帯には常にストレスがかかり

さらにキックやフィンの仕様で負荷が増える事で、問題が大きくなるのです。

 

具体的なセルフケアやリハビリはまた別の機会で解説痛いと思います。