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水泳選手の故障・痛みについて、セルフケアのコツを紹介します。

水泳選手の故障・痛みについて


先日所属チームのケアでも肩の痛みを訴える選手がちらほら出てきました。

夏の強化シーズンであり、日々の練習やトレーニングは

質も量も共にハードな状態が続きます。

 

学生は土日にレースも入ってくるので、一日に何本もレースレベルの

パフォーマンス発揮をする事で、肉体的にはかなり負荷がかかって

来ていると思われます。

 

そんな状況下でも、常にある程度のレベル・状態を維持できる選手

疲労すると痛みや違和感などの故障を招き、パフォーマンスダウン

してしまう選手とで別れます。

 

もちろん後者の方が多いですし、レベルの高い選手は前者の方です。

一体どこに差が出ているのか??

 

 

 

選手は ”賢くないといけません”


 

長年携わりアドバイスしてきているので、選手の中では

疲労性による痛みや違和感に対する、自身で取り組む予防や

痛くなった時に自身で行うケアの方法をよく理解して

実施出来る選手が居ます。

全ての選手が、そういったコンディショニングスキルを

身に付けてほしいのですが、まだまだ浸透させる事が

出来ていません。

 

大きな違いは、その理解力にあります。

・ 自分の体の特徴を理解している

・ 故障しやすい体の動きや、関節の動きを理解している

・ 痛くなった時の考えられる原因と対処方を知っている

・ 問題がある際に、出来るだけ早く行動出来る

 

そんな事が選手に出来るの? と思われるかもしれませんが

少なくとも現場レベルで、次にトレーナーが来てくれたり

治療に行くまでの、応急手当を行うレベルまでは

選手は理解して出来る様になります。

 

ただ方法論を詰め込んだり、与えるのではなく

選手が点と点を線として、認識し

なぜ痛くなるのか?   どうすれば痛くなるのか?

何が原因なのか?   どうすれば治るのか?

を理詰めで理解した時に、行動力へとつながり

その効果が飛躍的に高まるのだと思います。

 

こういった理解力のある選手は

練習の内容や意味、努力するポイントを理解します。

その理解度の差で練習やトレーニングの効果は歴然です。

 

パフォーマンスの低下や故障の発生メカニズムを

理解している事で、事前に取り組む事ができて

問題が大きくなる前に自分で対処出来ている。

これがトップアスリートの心得として、とても重要な事なのでは

無いでしょうか。

 

ここ一番の大切な局面で、しっかり自身の力を発揮して

結果を残せる、ハイレベルな選手は

間違いなくこの理解力を持っています。

 

ベストタイムやベストパフォーマンスの発揮には

その時だけが良いのではなく、

こうした日々の小さな取り組みや、思考の積み重ねが

大きな成果に繋がるのだと思います。

 

肩の動きを良くするストレッチ(ストローク動作)

今回は「肩の動きを良くするストレッチ」と題して
 
各種スポーツにおける肩を回す動作(ストローク動作)
 
を改善するストレッチをご紹介します。
 
 
これまで紹介してきたストレッチの方法を
 
組み合わせて行う事で
スポーツ前のウォーミングアップや
 
可動域の改善や
パフォーマンスアップなど
 
様々な目的へ効果的に役立てていただけます。
 
 
今回お伝えしたいポイントは
 
・胸郭の可動性
 
・肩甲帯の可動性
 
この2点を向上させる方法を
ご紹介します。
 
 
胸郭のストレッチドリル

①胸椎の伸展、胸郭の拡張(特に下の写真)
 
 胸椎、胸郭を伸ばす事(反らす事)は
 肩関節の拳上をスムーズにします。
 
 背中が丸い状態では肩甲骨が適切な
 位置や動きを保つ事が出来ません。
 
 
 
②オープンリーチ(胸郭の回旋)
 
 胸郭の回旋に伴い、肩甲骨が内転、外転を
 胸郭に対して動く事で、運動時の肩甲骨の
 安定性が得られます。
 
 胸郭の動きと連動性に欠ける場合
 安定性が低下し、パフォーマンス発揮出来ません。
 
 
 

③胸郭の回旋、肩甲骨の内転、上方回旋
 
 胸郭の回旋に伴う肩甲骨の内転の体操です。
 
 肩甲骨を胸郭に沿って引き寄せる事で
 肩甲骨の安定性に働く、僧帽筋の中、下部や
 菱形筋、広背筋などに効果が有ります。

④胸筋群のストレッチ(むね) ※肩甲骨の内転
 
 胸筋の短縮は肩甲骨を前傾(前に引っ張り)させ
 肩関節の適切な位置からずれてしまいます。
 肩甲骨の内転動作が改善する事で
 運動時に肩甲骨を安定させるために効果的な
 位置に肩を収める事が出来ます。
 
 
 
⑤体側のストレッチ (肩甲骨上方回旋)
 体側の柔軟性は肩甲骨の上方回旋や
 肩関節の拳上、外転を助けます。
 
 骨盤の外側~肋骨の下部辺りを
 伸ばす事で効果的に側屈を向上
 させる事が出来ます。

⑥体側のストレッチ(腹斜筋、広背筋、大円筋)
 
 体幹の側屈可動域は肩甲骨の上方回旋と
 肩関節の外転を助けます。
 
 この動きに制限がある場合、肩関節の外転可動域が
 減少し、肩を痛める原因となります。
今回ご紹介した①~⑥のストレッチは
 
順番が多少変化しても効果的ですが
 
ストレッチ ⇒ 体操
 
筋肉を伸ばしてから、動きを作る
 
という考え方で取り組むとより効果が
 
得られると思います。
 
肩を使うスポーツは全て効果的でありますので
 
この一連のドリルを参考に
 
競技前のウォーミングアップや
 
日頃のストレッチ、ケアにお役立てください。