今回は「パフォーマンスを高めるストレッチ」と題して
胸郭、胸部にフォーカスしたストレッチを
ご紹介いたします。
これまでにも胸部のストレッチや胸郭の
コンディショニング方法などはいくつか解説しました。
※過去の記事のリンクを設置しています。
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特に今回は胸部の筋肉(大胸筋など)を
効果的に伸ばすストレッチ方法を解説していきます。
この方法では肩こりや腰痛にも効果が得られます。
特にスポーツ動作やアスリートの方々には
競技動作の可動域改善や、フォーム・姿勢の改善し
より一層動作をスムーズにする効果がございます。
競技動作に関係することについて
肩の動きを良くする為には
肩関節だけでなく、肩甲骨~胸郭で構成する
肩甲胸郭関節の可動性改善や位置の適正化が
必要となります。
肩甲胸郭関節の動きの改善の必要性
・野球のピッチング動作
・バレーボールのアタック
・バドミントンや、テニスなどのラケット種目
※これら競技動作にはオーバーヘッドでの
肩のストローク動作が入ります。
胸郭の回旋に伴い、肩甲骨の内転や外転
上方・下方の回旋がスムーズに行われることで
肩甲骨周囲の筋群の活動が適正に行われ
肩甲骨~肩関節の動的安定性が得られます。
したがって、胸郭の回旋制限は肩甲骨の動きを
制限し、肩の動きや安定性を失う事に繋がります。
それでは胸郭の回旋と胸部のストレッチの方法を
解説していきましょう。
胸郭の回旋のストレッチ
~ How to ~
1.うつ伏せの状態から行います。
2.片方の胸を床に着け、もう片方の肘は立て
床を押し上げる事で、胸郭、上半身を捻ります。
(写真では右の胸を床につけて、左手で押し上げます)
3.床を押している手と同側の足を写真の様に
反対方向へ体を後ろに捻る様に伸ばします。
(写真では左足を動かし、右足を乗り越えて送ります)
4.この時床に押し付けた側の胸や胸郭が伸びている
事を確認しましょう。
5.30~45秒程伸ばしたら、反対も同様に行い
この動作を3Set程繰り返します。
ポイント
・出来るだけ胸床に押し付けておきましょう。
※体が開き過ぎると胸が効果的に伸びません。
・肩関節にのびる感覚がある場合は、肩の可動域で
からだを捻っている可能性がありますので
肩を痛めない様に注意をしてください。
※胸、胸郭が伸ばされている事が重要です。
効果
・胸郭の回旋可動性の改善
・胸部のストレッチ
・肩甲骨~胸郭の関節位置の適正化
こちらも合わせて行いましょう。
~ 競泳選手への関連 ~
これらのストレッチは胸郭や肩甲帯の可動域
肩甲骨の安定性を必要とする競泳選手に
多く指導しています。
先ずはストレッチを取り入れ、可動域の改善を
得る事が大事と考えますが、
特に重要としている事は、選手自身が
体で感じる感覚です。
・自分のからだがどれだけ開いているのか?
・肩甲骨がどの位置にあるのか?
・胸郭の開きと肩甲骨の位置は適正なのか?
・関節の動きに無理はないか?
この感覚の部分にズレが生じていたり
または意識的に感覚をもっていないと
競技パフォーマンスの向上には
効果的に繋がりません。
各関節には安定する為の理想な位置があると
考えます。安定する位置で体を使う事は
効率よく力が伝わり、故障も招きません。
競泳選手やアスリートは
これらの理屈を理解して取り組んでみてください。