ブログや水泳関係のトレーナー、講師の活動を通して認知していただき
競泳選手やジュニアの選手からの問い合わせがあり、
施術やトレーニング等で依頼をいただき、関わらせていただいております。
各世代、競技レベルもそれぞれにスイマーを見ていますと
競泳の競技力に必要な要素や、故障・怪我を招く要素がよくわかります。
その中でも
今回は基本となるストリームラインについて書き残します。
競泳という競技は
推進力を生み出す × 抵抗を減らす
という要素を持つ競技です。
また綺麗に泳ぐことを競う競技では無く、速く泳ぐことを
競う競技ではありますが、綺麗な泳ぎは抵抗が少なく
エネルギー効率の良い泳ぎとなり、結果的に速く泳げる側面があります。
その土台(必要条件)となるのがストリームライン(基本姿勢)です。
ストリームラインが正しくとれないと水の抵抗が増え、
エネルギー効率が下がります。
中でもジュニア(小学生)に多い「ぽっこりお腹」の立ち姿勢…
これは腹筋と臀筋の活動が弱く、骨盤が前傾して腰が反った状態です。
この状況では腰が反る事で背中(胸椎)が丸くなり
頭が前方に押し出されるように、首が反ってしまいます。(上の写真)
この状況でストロームラインを組むと、腰が反る事で水中に沈む部分が増え
抵抗が増えることになります。(下の写真)
この状況は何によって改善できるのでしょうか??
ジュニアの「ぽっこりお腹」 これは幼児体型に多い姿勢です。
腹筋の活動が弱く、お腹で壁を作れていない状態です。
またお尻(臀筋)の筋肉を使わない事で、骨や筋肉により掛かる様な
姿勢のとり方となり、骨盤が前傾して、腰椎が伸展(反る)した姿勢となります。
これらを改善する対策としては「トレーニング」が重要です。
体幹(股関節、背骨、胸郭)の筋群を正しく活動させる訓練を取り組む事で
正しい姿勢のとり方を学習する事が出来、立位姿勢を随意的(自分の意思)
に正す事が出来ます。
具体的には
・臀筋群と背筋群のトレーニング
→ 股関節を伸展させ、胸椎を伸展させます。
・腹筋群のトレーニング
→ 腰椎の前弯を止め、骨盤を後継させます。
・背筋群(上位)のトレーニング
→ 骨盤の前傾、腰椎の伸展を出来るだけ止めた状態で、上位の背筋群を
使うトレーニングです。
これらのトレーニングを毎日取り組む事で
ジュニア(小学生)でも体の使い方を理解して、自らの意思と感覚で
正しい姿勢を作る事が出来る様になります。
左の写真と右の写真は同じ日に撮影し、協力いただいた写真です。
右はトレーニングで使い方を覚えた筋肉を意識してストリームラインを
作った姿勢です。 左側のあえて意識せずに作った姿勢と比較しています。
右側の写真では明らかに腰の反りが軽減し、背中と腰のギャップが少なく
赤の点線と比較しても、真っ直ぐに姿勢を作れている事がわかっていただけると
思います。
水中に浮かんでも、腰が浮いて、フラットな状態をキープ出来ている事が
わかるかと思います。
右と左を比べて、どちらが競泳という競技の中で
高いパフォーマンスを発揮できるかは、答えが直ぐにお分かりだと思います。
それだけ、ストリームライン(基本姿勢)が大切だと言うことです。
これは体の柔軟性も大きく影響します。
背中がかたく、伸ばす事が出来ない選手は、先ず背中の柔軟性を獲得する
事から必要となるでしょう。
他にも股関節が硬い選手は、股関節の伸展、内旋の可動域の獲得が必要です。
基本姿勢、ストリームラインが正しく組める様になることは、競泳の場合
水中に入るまでの取り組みでパフォーマンスを左右することになります。
このジュニア(小学2年生)選手は全国レベルの選手であり、この世代での
競泳のパフォーマンスは高い位置にいます。
毎日の生活の中にトレーニングを取り入れていただき、本人が姿勢の感覚や
正しい姿勢の作り方を理解しています。理解力もとても高いです。
トレーニングと努力で改善出来る事であり、この改善は体力を作ることと
匹敵するほどの、競技力向上の要素を持っています。
先ずは写真を真似るなどして、取り組んでみてください。
そして是非一度 息子さんや娘さんの立ち姿勢や
ストリームラインをご確認ください。
※ 掲載している写真は、当院の患者様より承諾を得て掲載させていただいて
おります。 無断での転写や仕様をお控え願います。