肩のケガを予防する セルフケア ~ 胸筋群と姿勢不良~
今回は 胸筋群 と 姿勢不良 の関係について解説しながら 具体的なストレッチなど改善策をご紹介します。 前回、前々回と引き続き 肩関節 に関する記事ですので これらも合わせて参考にしていただくと、より理解が深まると思います。 1.肩関節 後方・下方のストレッチ 2.肩関節 胸筋群のストレッチ
前回にも取り上げた 3つ の考慮点がありましたね。 ・ 姿勢の悪化 ・ 肩関節 の 可動域不足 (筋の柔軟性不足) ・ 肩関節 の 動的安定性 の不足 (筋力不足) 今回のテーマはこの1つ目である 姿勢の悪化 について 胸筋群 が どの様な関わりをしているかを解説します。 ここでの ”姿勢” は歩行や運動中の姿勢ではなく 起立姿勢 や 座位姿勢 など 安静時の基本姿勢 をさします。
胸筋群と姿勢不良の関係
上の図では 胸筋群 の短縮が 肩の前方突出 の要因になる様子を示します。 これに連鎖して 肩・肩甲骨が 上方に挙がり 僧帽筋上部 や 肩甲挙筋 の短縮につながります。 ※ 下の図を参考 先ほどの姿勢の図で示される通り ・ 背中が丸くなる ・ 頭が前方に出てしまう ・ 肩が前方に出てしまう 猫背・円背 と言われる 姿勢の特徴です。。。 この姿勢不良に陥ると ・ 肩コリ ・ 首の痛み ・ 背中の痛み など 不定愁訴 の 症状に陥りやすくなります。 肩や首が凝る のは姿勢不良そのものが筋緊張を生み出す原因でもあるのです。
また姿勢不良がもたらす、肩関節での機能低下があります。
・ 肩甲骨 の 動的安定性の低下
・ 肩関節(肩甲上腕関節) の 動的安定性の低下
・ 関節の位置変化により 筋の長さが変化
⇒ それによる インナーマッスル等の 筋機能の低下
肩関節インピンジメント症候群 、 腱板損傷 、関節唇損傷 、脱臼・亜脱臼など
障害や外傷のリスクファクターとなります。
これら障害や外傷に関してはまた別の機会でまとめたいと思います。
座って行える胸筋群のストレッチ
~ How to ~
1.両手を後ろで組みます。
2.手を斜め下方向に引っ張る様に、胸をはりましょう。
※ 肩関節や胸、背中が硬くて、手を組むのが困難な方は
タオルを両手で持つなどして、行うと良いでしょう。
姿勢の改善を目的としたエクササイズ
~ How to ~
1.手を頭の後ろに組み、胸を張り肩甲骨を寄せ合いましょう。
※ この時 出来るだけ 背骨 を伸ばし、反らす様に行います。
2.両肘を顔の前で寄せ合い、頭から背中を丸める様に肩甲骨の間を拡げます。
※ この時は 出来るだけ 背骨 を丸め、からだを屈曲させるように行います。
3.一連の動作を出来るだけ、大きな動きで繰り返しましょう。
※ 伸びる部分(ストレッチされる部分) と 筋が収縮する部分 を
意識して行いましょう。
まとめ
胸筋群の短縮は肩こりや首の痛みなど一般的な不定愁訴を
招きやすい、猫背姿勢を作る要因となります。
またこの不良姿勢は、肩関節の運動時の機能を低下させる
要因となり、結果としてインピンジメント症候群など
肩関節の故障や怪我に繋がります。
胸筋群の短縮や硬化を防ぐことは、不定愁訴や障害の予防に
効果的ですので、是非この理論を理解していただき
セルフケアに取り組んでみてください。