競泳選手の肩の痛み③ (肩関節のストレッチ)

「競泳選手の肩の痛み」
 

今回はアスリート向けの内容でご紹介します。


肩の痛みについて解説していますので
 
スポーツをされない方々であっても肩の痛みの
 
メカニズムや理屈を知ってもらう事は
 
ご自身の健康管理やコンディショニングに
 
大変役立つので、是非ご一読ください。
 
 
 
アスリートの中でも私が専門としている
競泳について解説いたします。
 
競泳選手の肩の痛みについては、これまでにも
 
数回ご紹介してきました。※合わせてご覧ください
 
 
今回は具体的なセルフケア・ストレッチ
2つご紹介します。

競泳選手は肩関節の前方など上腕骨頭辺り
 
痛みを訴えるケースに多く遭遇します。
 
日頃の練習やトレーニングによる疲労で
 
関節周囲の筋肉や関節包が固くなり(短縮)
 
上腕骨頭が関節の適した位置からズレて
 
しまいます。
 
多くのケースは上腕骨頭がやや前方に
ずれた状態になります。
 
今回は肩関節の後方を緩める方法
ご紹介します。

~ How to ~
 
1.写真の様に横向けの状態になります。
 
2.腕を前に出し、肘は90°曲げておきます。
 
3.前に出した腕~肩に上半身を被せる様に
 体重をかけます。(写真みぎ)
 
4.肩関節の後方が伸びていれば効果的に
 行えています。
 
※出来るだけ肩や肩甲骨を背中側に引き付けて
 行うと効果的に伸ばせます。
 
効果
 ・肩関節の後方、下方、三角筋などが伸ばせます

~ How to ~
 
1.先ほどのストレッチと同様に腕を前に出して
 横向けの状態になります。
 
2.もう片方の手を使い、ストレッチする側の手を
 床方向に押えていきます。
 ※からだが開かないように押えておきます。
 
3.肩関節が捻じれる様なストレッチ感があれば
 効果的に行えています。
 
※肩が浮き上がったり、前方に押し出されない様に
 注意しましょう。
 
効果
 ・肩関節の外旋筋を伸ばし、内旋可動域を増加します。
これらのストレッチは肩関節の後方を
緩める事に効果的です。
 
後方が固くなり、短縮している場合
肩関節、上腕骨頭が前方に偏移しやすくなります。
 
この状態では関節の安定性が低下し
プル動作での推進力が低下します。
 
また肩関節の可動域不足や偏移している状態での
運動の繰り返しでは、肩関節周囲の
筋群や、腱、関節包など周辺組織の損傷、
痛みの原因となります。
 
元々の肩関節の緩さや姿勢、トレーニングの
内容なども関係しますが、
日頃のコンディショニングに
肩関節の位置を考えて取り組んでみてください。