セルフイメージと競技パフォーマンスの関係
7月に入りました。
来月は夏季オリンピックの開催も控え
本格的な夏シーズン到来ですね。
私が携わる競泳では、学生の主要大会にむけて
各地域での予選会が始まりました。
先日は大阪、京都と高校の大会が行われ
順当にインターハイ予選となるブロック大会に
進んでおります。
所属の選手達は厳しいトレーニング期でもある中
それぞれハードなレーススケジュールをこなし
疲労を感じさせます。
ケアで携わる選手、学生も
実力を発揮出来た選手もいれば
一歩およばずに悔しい思いをした選手、
本来の力を発揮出来ずにいた選手、
ケガや故障のアクシデントがありながらも
大会に向けてしっかり状態を取り戻した選手など
結果は様々でした。
良いパフォーマンスが発揮できるかどうかに
コンディショニングが上手く出来たかどうかが
影響するのは言うまでもありません。
コンディショニングが順調に行ってたのに
本番で体が動かなかった。。。
練習では良かったのに、レースは上手く行かなかった・・・
持っている力が発揮出来ない。。。
そんな反省を聞くケースがよくあります。
一体何が影響しているのでしょうか???
” セルフイメージ ” を変える!
パフォーマンスに影響する大きな要素に
メンタルスキルという分野があります。
よく メンタルが弱い!
自信を持ってやれ!
気合いが足りない!
など 一言でコーチ陣に一喝されている選手がいます。
ではどうすればメンタルは強くなるのでしょうか?
陥り易い勘違いが一つあります。。。
このメンタルは 「厳しいトレーニングや訓練を耐える事で強くなる。」
というスポーツ現場に深く残る根性論の様な存在。。。
この根性論を否定する気持ちはありません。
もちろん数をこなす事で、意識的に行っていた動作が
無意識でも出来る様になった、というスキルの獲得や
『あれだけ練習したんだから』という経験から与えられる自信は存在します。
そしてその事は絶対に必要な要素であります。
しかし、これでは良いトレーニングが出来ていなかったり
様々な要因で練習量を確保出来なかったりすると
それらから裏付けされる自信は生まれません。
トップレベルの選手の中でも、心地一番で強い選手は
大事な場面までに至る経緯や状況、状態などに
影響を受けたり、調子を左右される事がありません。
全く別次元のところへ自身のメンタルを持って行っている様に
感じます。
『勝つことだけ』に集中して、目の前の課題に立ち向かう。
・ 相手が誰だから・・・
・ 今日4本目のレースだから・・・
・ 調整が上手くいってなかったから・・・
そんな事は考えていません。
プラスなイメージで作られた”最高の自分”をイメージし
目の前のレースに挑んでいるのです。
これは常に高いパフォーマンスを発揮し
大事な局面、一番誰しもが緊張し、逃げたくなるような局面で
しっかり結果を出す選手の特徴です。
つまり ” セルフイメージ ” がしっかり確立されている。と言う事
これはメンタルスキルであるので、メンタルのトレーニングや
訓練で強化されるのです。
自分自身をどの様に評価しているのか。
・ 練習が弱いので。。。
・ 短距離専門なんで。。。
・ 後半はいつもバテるんで。。。
自身を狭い範囲で決めつけていたり
ネガティブなイメージを自身に刷り込んでいたり
そんなセルフイメージでは、自分では分からないところで
脳が勝手に心理的ブロックをかけて、からだを動かなくしてしまいます。
もちろん大事な局面で、ベストパフォーマンスを発揮出来ないでしょう。
短距離型だとずっと思っていた人が
科学的な検査で筋細胞を調べてもらうと
実は長距離に向いた筋肉だった、というケースは
よくある事です。
人間、本当のところは自分自身を良く分かっていない。
結局はセルフイメージなんて、勝手な思い込みや勘違いなのです。
どうせ勘違いするなら、ポジティブなプラス思考のイメージで
勘違いした方が、スポーツで好結果を残す事ができるのです。
今回も、あるレースを切っ掛けに自身のイメージを払しょくし
ベストタイムを久しぶりに更新した選手がいました。
結果が出ると、新たな良いイメージが生まれ、好循環を生み出します。
また良いイメージを持つトレーニングを積めば、
どんなコンディションであっても、レースに挑む時は
” 最高の自分 ” = セルフイメージ
を頭に描くことができ、ネガティブな心境に体がストップしてしまう事は
少なくなるでしょう。
良いセルフイメージは、そうなりたい!と思わせる目標イメージであります。
人間は頭に描いた風景や映像に、心や体が動く動物です。
目標イメージにたどり着くために、何をすべきなのか?
行動や課題が具体的になります。
日頃からの心構えで、セルフイメージは大きく改善出来ます。
大事場面で最高のパフォーマンスが発揮出来る様に
まずは最高の自分のイメージをしっかり描きましょう。