今回は小学生スイマーのために、自宅やプールサイドで取り組めるストレッチをご紹介いたします。日本代表レベルの選手も毎日当たり前に行なっている方法ですのでジュニアの皆さんも動画を参考にして、毎日取り組んでください。
※ 3つの動画に1種類ずつ解説とまとめ付きで公開しています。記事の最後にリンクを貼り付けてありますので、順番にご覧ください。
1.ただ筋肉を伸ばす事が目的ではない!
今回3つの動画で解説しているストレッチはただ筋肉を伸ばすだけが目的ではなく競泳に必要な要素である、「アライメント」と「動き」に焦点を当てたストレッチ(体操)になります。
競泳ではプルやキックで推進力を得る事と同じぐらい、水の抵抗を減らす事がハイパフォーマンスには重要です。
「アライメント」とは骨の位置関係や姿勢などをイメージしてください。このアライメントが崩れているとストリームラインが作り辛くなり、抵抗の少ない姿勢を作る事が出来ません。また肩甲骨や股関節の可動域が狭くなり、フォームが崩れたり本来働いて欲しい筋肉が活動せず、アウターの筋肉や使いたくない筋肉が活動してしまい、パフォーマンスを落とすことにつながります。
例えば)
猫背の選手は背中を伸ばし難いため、肩や肩甲骨の動きが制限されてしまい結果的にストロームラインが上手く組めずに抵抗の大きい姿勢になりがちです。。。
競泳だけでなく、他のスポーツ、種目でもコンディショニングの土台に当たるのがこの「アライメント」ですので、理解しておきましょう。
2.「動かす部分」と「止める部分」が存在する
この3種のストレッチでは筋肉を伸ばし可動域を広げたい部分(動かす部分)と筋肉を活動させて安定させたい部分(止める部分)が存在する複合的なストレッチです。
今回は股関節と背骨、胸郭、肩甲骨に働きかけたストレッチですので、具体的には以下の通りになります。
【動かす部分】
・股関節 (腸腰筋、大腿筋膜張筋)
・胸郭 (腹斜筋、胸筋、広背筋)など
【止める部分】
・腰椎 (腹筋)
・股関節 (臀筋)※支えている側
・脊柱 (体幹の深部筋)
※詳細は動画の中にもポイントをまとめてありますのでご覧ください。
3.「泳ぎにつなげる」とは ”陸で動きを作る” こと
水中でパフォーマンスを発揮するには、競泳の場合はフォームがとても重要です。フォームとは「動作」です。「動き」なのです。
動きは体の各部位が関節可動域とその関節を動かす筋肉が適切に働く事で成立します。適切に働くとは「代償」がない事です。可動域に制限があると適切な筋肉が機能せずに別の筋肉を代わりに使って、その動作を行います。これが代償動作です。
代償動作は適正な動きをごまかして行なっているため、本来働いて欲しい筋肉ではなく、別の筋肉を使っていることになります。そして本来は使って欲しくない(エネルギーの効率が落ちる、またはフォームが崩れるため)筋肉が働くことで結果的にパフォーマンスも上がらない、そして問題なのは多くのスポーツ障害がこの代償動作が起点になってもいるのです。
この正しい動作のためには必要条件として「アライメント」「可動域」「筋肉の機能」であり、その動作を水中で行うためには(理想的なフォームで泳ぐ)先ずは陸上でその動きがスムーズに出来る事が必要なのです。
したがってこの3つのストレッチは、水中につながる動きを行なっていますので、ジュニアの選手は「動き」を学ぶ意味もあります。
是非今回の動画とこのブログをきっかけに日々の生活の中に時間を作ってこのコンディショニングを実施していただき、正しい動きを身に付けて、理想的なフォームで泳げるようになってもらえたらと思います。