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水泳選手がおちいり易い、ストレッチの間違い!肩の痛みの原因はこれ!

水泳選手がおちいり易い、ストレッチの間違い!肩の痛みの原因はこれ!


 

今回はこれまでにも数多く紹介している、競泳選手のストレッチについて

少し解説しておきたいと思います。

 

 

先日契約先のチームへの定期訪問へ出向いた際に

他チームからの選手が合同で参加しておりました。

 

以前に肩の手術(肩関節唇縫合)を行っているとの事で

調子がいまいち上がってきていない原因が肩に問題があるのでは?

とコーチの方から相談を受け、現状のチェックをすることになりました。

 

現在は肩の痛みは少し気になる程度ですが、本人の自覚症状もあり

僧帽筋や首の筋肉が非常に疲れやすく、肩も前に入り姿勢が悪い事を

指摘されているとのことでした。

 

オペ後は数年経過しているものの、本来の肩関節の機能は

あんまり良い状態とは言えず・・・ 根本的な原因は改善されていない様子・・・

関節可動域には制限もあり、肩を動かす際の運動軸や筋機能も

代償動作が目立ちました。。。

 

リハビリやトレーニングの方法を少し教えてほしいとの事でしたので

現状の問題点を指摘して、その改善方法になるエクササイズを

数点アドバイスしました。

 

この背景には、関節や周囲筋の硬さ、筋力、姿勢、運動量などの

個体、または環境などの要因が関連しますが、気になる点はチームで取り組んでいる

ペアストレッチの方法・・・  水泳選手はチームでの指導により

選手同士でストレッチを行う習慣がありますが

そのストレッチは方法にあやまりがあったり、闇雲に柔軟性だけを追い求めると

反対に肩関節を悪くさせ、ケガに繋がる事が多くあります。

 

その代表的なストレッチがうつ伏せの状態で、手を後ろに組み

そのまま、ペアの人が手を背中を通り頭の上の方へ押し込む方法

※今回は写真が用意できていませんが、分かる人は「あの方法か」と

おもわれることでしょう。。。

 

あのストレッチは肩関節の前方を過剰に伸ばしやすく

肩甲骨と肩関節のつなぎ目である筋や靭帯、関節包への

過剰なストレスをかけます。

 

ポイントを注意する事で、有効なストレッチなのですが

そのポイントを抑えている選手はきわめて少ないでしょう。。。

おそらくそこまで細かく指導されておらず、試合会場や合宿で

他校や他チームの選手がやっているのを見マネでやっている事が多い・・・

 

特に女子選手に多いのが、元々関節の弛緩性や柔軟性が高いのに

必要以上の柔軟性を求めて、ストレッチしているケース。。。

この状態では肩関節の緩みが強くなる一方です。

プラモデルで例えるならジョイント部分が緩々の浅いはまりの状態です。

こんな状態では少し動かすだけで取れてしまいます。

人間の体では、脱臼を意図的に近づけている状態と言えましょう。

 

この様なストレッチを継続していると、良かれと思って取り組んでいる努力が

水の泡・・・ むしろ悪影響となりパフォーマンスは一向に上りません。

関節が緩いという事は力を入れた際に関節が安定しないということです。

競泳の場合、推進力を強く生み出すためには、水を的確にとらえ

その水を安定した肩関節で捉えながら、体を前方に移動させる事が必要です。

その中でもし、関節が安定しないとどうなるでしょうか?

答えはお分かりですよね?

腕や肩だけに頼った泳ぎとなり、肩関節を痛めるか、パフォーマンスが

一向に上らないままトレーニングを重ねるか。。。

 

あなたが選手であったり、選手の親であったり、コーチであったら

どの道を選びたいですか??

闇雲に柔軟性を追い求めたストレッチは、選手を不幸にします。

正しい方法やポイントを指導出来る専門家にアドバイスをもらうことを

オススメします。

 

最後になりますが、この状態に陥っている選手は随分多くいます!

大切な選手の将来を壊さない為にも、早く正しい情報を身に付けましょう。

競泳選手の肩の痛み

先日まで国体の競泳競技に帯同しておりました。

その期間中でも訴えとして多かったのが肩の痛みでした。

競泳の場合は繰り返しの動作で患部の組織が炎症や微細損傷を起こし

痛みを訴えるケースが多く、致命的な故障に至るまでには

必ず前触れ(サイン)が存在します。

今回はそのサインや疼痛発生メカニズムについて、現場レベルでの観点で説明を

させていただきます。

特に痛みを訴える部分

・肩関節の前(三角筋前~中部、上腕二頭筋腱、大胸筋停止部)

・肩関節の後方及び下方 ※脇の下や後

(三角筋後部、大円筋・小円筋、上腕三頭筋腱、広背筋)

・肩~頸の筋肉(僧帽筋上部、肩甲挙筋、頚部の筋群)

・肩甲骨と背骨の間(菱形筋、僧帽筋)

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ストローク中の痛みに関して
1.プル前半(入水からキャッチ)

2.リカバリー(フィニッシュから腕の引き上げ)

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※発生頻度が多いのがこの2つの局面です。

疼痛発生のメカニズム (フェーズ別)
【プル前半期】
肩関節屈曲位での内旋+肩甲骨上方回旋
※手が頭より上で、ハイエルボーの状態がこの局面
⇒ これは肩関節、烏口肩峰アーチでのスペースが狭くなり、
関節内での摩擦を起こしやすくなります。

【リカバリー期】
肩関節伸展位での内旋+肩甲骨下制、内転
※手が後方で背面方向に引き上げながら、腕は前方へと方向を変える局面
⇒ これは肩甲骨の内転や下制が不十分であると、肩関節伸展可動域が
過剰に要求され、その結果肩関節前方の二頭筋腱などが伸張ストレスを
受けやすくなります。

現場で考えられるサイン(前触れ症状)
・肩関節の柔軟性低下
「腕を上げた時に関節が詰まる感覚」
「コリコリと音が鳴る」
「肩(三角筋周囲)の張りが強い」
・肩甲骨の柔軟性低下
「背中の張りが強い」
「僧帽筋(肩の上)、頸の張りが強い」
・胸郭の可動性低下
「体が捻り難い」「呼吸やストロークで胸が開きにくい」
「片側だけ体が開いてしまう(捻れ方向のアンバランス)」
等々・・・

一番分かり易い自己評価は
ストリームラインが楽に組めるかどうか・・・
毎日自分自身でチェックする事で良い時と悪い時の
自分の体の違いに気づける様になります。

※リスクファクター、原因、改善策や予防策は
また今後の記事で載せます。

運を味方につけるには・・・ を考える

※公式FaceBook 、 Twitter 開設しました。(記事際下段参照)

8月も後2日なりました。
今年の夏はすごく早かった様に感じます。
事業はまだまだ成長段階ですが、新しい出会いや御縁をいただき
そのお蔭で例年より熱い夏を過ごせていたと思います。
まだ残暑厳しく、様々なご依頼をいただけておりますので
引き続きしっかり、きっちりとお応えしていく決意であります。

昨日は競泳チームのケア・トレーニング指導で大阪に出ておりました。
高校生はインターハイ、ジュニアオリンピックを終え
国体選考メンバーは引き続きレースが続きます。
その他の選手は次に向けての新たな一歩を踏み出しました。

大学生はいよいよ9月4日よりインカレが始まります。
それぞれに思いを抱き待ちに待ったレースです。

今までに取り組んできた事に”自信”を持って
”覚悟”して挑んでいければ、結果がついてくるかもしれません。
帯同はしませんので、遠くで応援したいと思います。

アスリートは 心・技・体・運 が必要です。
 を味方にするには、日々の過ごしが重要だと思います。

先日お客様にこんなお話しを教えていただきました。
アーチェリーと弓道の違い・・・
「的を矢で射る」「正確性で競う」という共通点
外国から来たものと日本で産まれたもの・・・
ルール等の違いは除き、根本的な違いがあるとの事でした。

アーチェリー
 遠くの的を矢で射ぬき そのポイントの合計得点を競う 競技

弓道
 的を狙い矢を射るまで 自身の心理と体を律する 競技

ポイントや得点といった 結果 に意識するのか
矢を放つまでの自分自身の過程 プロセス に意識するのか
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自分自身をコントロールし、プロセスが上手くいけば、
放った矢は結果的に的の中心を射ぬけるであろう
との事だそうです。(※個人的解釈です。)

如何にも日本らしい美学が含まれた話だなと思いました。
そしてこの話から学ぶべきことは
あらゆる物事にプロセスの重要性が当てはまるという事。

日々目的や目標に向かっての、ひとつ一つの行動や選択が
このプロセスにあたります。
常日頃から己を律し、正しいプロセスを重ねる事で
運 も味方してくれるのだろうと思います。

   アスレティックトレーナー 藤野絢也